厚顔無恥
 ここからは「踊る大捜査線THE LAST TV」(LAST TV)のネタバレ、かつ、ODFの内容にも触れた感想を述べています。
 ネタバレや他人の書いた感想を読みたくない方は、ここから先には進まず、お戻りください。
 誠に申し訳ありませんが、お互いの心の平安のために、どうかよろしくお願いいたします。




 さて、お手数をおかけ致しました。話を続けましょう。


 厚顔無恥とは、厚かましく、恥知らずなさま。他人の迷惑などかまわずに、自分の都合や思惑だけで行動すること、だそうです。(出典:三省堂「新明解四字熟語辞典」より)
 ノベライズの中で、久瀬が真下署長をこう評します。恨みのこもった言い方だと思いました。

 LAST TVの劇中、池神長官に、すみれさんの話題を持ちかけられた室井さんは、非常に複雑な表情を見せます。
 それはそうでしょう。
 ほかならぬ、池神刑事局長の指示で、室井さんは、監察官としてすみれさんの調査をし、結果、青島くんやすみれさんとの間に深い溝を作ったからです。
 でも、池神長官からすれば、そんな瑣末なことは記憶すらしていないでしょう。彼はそういう人です。

 で、その話のきっかけを作ったのが誰かわかった時、唖然としました。

 真下署長、彼は、当時、すみれさんや青島くんがどれだけ傷ついたか、よく知っていたはずです。
 警察庁刑事局のトップに君臨し、現場の刑事のことなど、記号か、よくても駒扱いであろう、池神局長とは違い、すみれさんや青島くんの間近で、その苦悩を見ていたのですから。
 その彼が、どうして、室井さんの結婚相手にすみれさんを推薦することができるんだろう?
 確かに、すみれさんがそのことで室井さんをいまだに恨んでいるとは思えませんし、本店のキャリア組の中ではおそらくは唯一信頼もしているでしょうが、それと結婚とは、全く違う次元の問題でしょう?

 真下署長、父親も警察官僚のサラブレットでありながら、湾岸署でも皆に嫌われることのない、愛されキャラ。
 でも、彼に、室井さんのように、現場の刑事が正しいことをするために、その責任を一手に負う気持ちが少しでもあったなら、6年前の悲劇は、そして、ODFの悲劇は、少しは違う結末になっていたのではないか?そうも思えます。
 責任を負う、まして、覚悟なんて、そう簡単にできるものでもないし、大変なことではあるのですが。
 室井さんも、青島くんと出会ったころは「すぎた事件のことは忘れろ」といいます。キャリアとはそういうものなのかもしれません。LAST TVでのすみれさんにまつわるエピソードと考え合わせると、真下署長も、真下署長ですらも、所詮、キャリアとしての観念から抜け出ることはできないのかと思います。
 そして、青島くんとの出会いを通して、警察機構のゆがみに気付いた、気が付くことが出来た室井さんは、やっぱり希有な存在なのかもなあ、とそう改めて思いました。

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