さて、稲垣管理官のこと
 さて、満を持してというよりは、考えすぎて何を書けばいいか、返って解らなくなってしまった、稲垣管理官のことです。

 私は、以前から、ドラマのエンドロールで二番目に名前が登場する人が誰なのかで、そのドラマの方向性が決まると勝手にそう思っています。実際は、種々の事情が複雑に絡み合う状況下で、登場順は決まっていくようなので、これはあくまで視聴者からみた結果論でしかないのですが。
 「踊る」本編では、ドラマから映画に至るまで、室井さん役の柳葉さんが登場します。すみれ役の深津絵里さんではなく、室井さんが二番目に登場することで、このドラマシリーズの方向性が定まったと、勝手に思っているわけです。
 さて「逃亡者」を含め、4つの番外編&スピンオフドラマにおいて、二番目に名前が登場する人物を列挙してみました。

「番外編 夏SP」渡辺えり子(桑野巡査)
「交渉人 真下正義」寺島 進(木島警視)
「容疑者 室井慎次」田中麗奈(小原弁護士)
「逃亡者 木島丈一郎」段田安則(稲垣管理官)

 「踊る」本編の室井さんも含め、これまでの「踊る」シリーズにおいて、このポジションには、主人公と時には反目、対立したり、あるいは、主人公に翻弄され、または、逆に翻弄しながら、共闘していく立場の人が登場していました。

 では、稲垣管理官はどうだったでしょうか?
 ところ狭しと自由に逃げ続ける木島警視を追いかけるも、翻弄され続ける稲垣管理官。最後までここそという見せ場はなく、挙句は警察官にあるまじき犯罪が発覚し、逮捕されてしまいます。

 私が「踊る大捜査線」というドラマを好きな理由のひとつは、それが優れた群像劇であることです。主なキャストだけが注視されるのではなく、画面にいる一人ひとりの役にきちんと背景がある。それが「踊る」シリーズの醍醐味のひとつだと思っております。
 「逃亡者 木島丈一郎」は、群像劇でありながらも、なんとなく木島刑事一人のドラマにもなっているように、私には思えます。それを一番感じるのが、稲垣管理官の扱いです。
 せっかく2番目に名前が登場しながら、稲垣管理官は、木島刑事の「仲間」ではありません。「犯罪そのものや犯人は、記号的に描く」というこれも「踊る」ならではのお約束?に則って、非常にあっさりと描かれていきます。
 せっかく、段田安則さんという演技派俳優を登場させながら、あれはなんじゃ~?というのが正直な気持ちです。でも、段田さんだからこそあの「さえない小悪党」がこなせたともいえますが。
 では、爆処理班長や浅尾警部が2番目に登場すればよかったのかというと、それもあの話の流れでは、ちと違うでしょう。「踊る」シリーズに存在し続けた「もう一人の主人公」の不在、これがなんとなく「もやっと」感を覚える原因です。

 ドラマが面白かったので、こんな屁理屈などはまあどうでもいいことですから、笑って読み飛ばして頂ければ幸いです。
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● お返事>榊 真央さん
みや | URL | 2006/02/02(木) 00:40 [EDIT]
 コメントありがとうございます。
 多分、自分はへそ曲がりなんだと思います。それも、トグロを巻いちゃっているような。
 「逃亡者」もちろんとても面白かったです。でも「これこそが踊る!」といわれると「そおなのかなあ?」と思ってしまうんですよね。へそ曲がりですみませんって感じです。
● 視点が鋭いです
榊 真央 | URL | 2006/02/01(水) 15:17 [EDIT]
>私は、以前から、ドラマのエンドロールで二番目に名前が登場する人が誰なのかで、そのドラマの方向性が決まると勝手にそう思っています。

こんなこと考えたことなかったです。
歌舞伎なんかでは「二枚目」っていいますよね。そういう感じでしょうか?

室井さんが二番目。
やはり『踊る』は卓抜した群像劇であり、青島・室井でバディムービであるのだと私は思います。

稲垣管理官はあまりにも主人公の木島との絡みが少なすぎたとは思います。電話での絡みが殆んどでしたから。いえラストまで一度も会っていませんでしたっけ?

『逃亡者 木島丈一郎』って、本当は恐ろしく踊るらしからぬものなのかもしれません。でも私は好きなんです。確かにここは笑うところ、ここはしんみりするところととても懇切丁寧な作品になってしまってますが、捻れば良いってものでもないですし、暮れの忙しい時に文句なくボケーっとしながら楽しめる作品は嬉しかったです。

なんだか取りとめがなくなってしまって、すみません。
これからドラマを見る時、「二番目」を意識してみます。
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